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えっ!?こんなふうになっているの!?アメリカのチップ制度

日本にはなく、アメリカや欧州で見られる伝統的な習慣といえばなんだと思いますか?

私はチップ制度が一番大きな習慣の違いかと思います。日本では高級なレストランなどに行ってもメニューに書かれた金額とあとはサービス料として料金の約15%が含まれた金額を支払うだけで、特にテーブルにいくらか残す習慣はありません。またホテルや旅館に宿泊した場合もベッドメイキングの為に枕元にお金を置いておくこともありません。

しかしアメリカを含めた外国ではスタッフのためにお金を少し置いておく習慣があります。それが「チップ」というわけです。今回はその「チップ」について外国に行っても困らない程度に覚えていただけるよう少し解説いたします。

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チップ制度はどこで始まったの?

実はチップ制度が始まったのはアメリカではなく、諸説ありますがアメリカのもととなったイギリス(このように書くとアメリカ人の友人から怒られますが・・・・)の床屋さんで誕生しました。

当時床屋さんは外科医と同じような仕事もしており、その時の施術で悪い血を抜き取る「血抜き」というのがありました。しかしその行為にはちゃんとした金額が定まっていなかったので、店主(医者?)が

「To insure promptness(迅速さを保証するためにお金を入れてくださいというような意味)」

が書かれた箱を置き患者がその中に任意でお金を入れて施術を受けたことから始まったようです。そしてその頭文字をとり「TIP」となったようです。しかし他の言語では「お酒を飲むためのお金」という意味がTIPにはあるようで、パブや居酒屋などからお酒を飲むためのサービスに対して支払ったことが始まりではないかと言われています。

しかし現在では居酒屋だけでなく、レストラン・宿泊施設・美容室といった様々なサービス業に対して「感謝の気持ち」を示すために支払われていることが多いように思います。

チップって本当に払わないとダメ

上でも書きましたがチップというのはそのサービスに対しての「感謝の気持ち」を示すために支払うものなのですが、実はアメリカでは支払わざるを得ない事情があるのです。この慣習が始まりすでに長い時間が経ちました。

実は昔サービス業はかなり地位の低い職業とみなされており給与も低く、それだけではまっとうに生活していくことは難しかったのです。そこで床屋と同じように「To insure promptness」と書かれた箱を置きTIPとしてお金を少し余分にもらうことにしました。上流階級の身分の人たちは「ケチ」と思われたくはないためにそれなりのお金を支払っていました。そしてそのお金のおかげでなんとか人並み程度の給与がもらえるようになっていきました。

しかしその長きに渡る慣習から現在でもサービス業は「TIP」がもらえるからと、給与が他の職業に比べて低く設定されるようになってしまいました。つまりサービス業に就いている人たちにとってチップがもらえないと人並みの給与がもらえないということになってしまいます。ですのでアメリカで旅行をされる際はぜひチップだけはケチらずに、彼らの生活のために支払って頂ければと思います。

でもチップってどれくらい払えばいいかわからない。どうすればいいの?

この問題は実はアメリカに住んでいるアメリカ人もよく疑問に思うそうです。

筆者の友人は「僕はチップの計算がよくわからないから、よくファストフードにいくよ(๑≧౪≦)」ととっても素敵な笑顔で話してくれました・・・。ですので、日本人の方がどう支払っていいのかわからなくてもいいのです!ですが簡単な考えとしては「支払うべき金額の15%」をチップとして上乗せしてあげればいいと覚えておきましょう。

そして最近のレストランや美容室ではレシートに「15%=$○○/18%=$○○/20%=$○○」と支払うべきチップの目安の料金が明記されていますので、支払いの際はそれを見ながら計算するといいと思います。筆者自身それがないと支払いに困ってしまうことが多々あります。そしてタクシーの利用の際には最低でも1ドル支払うと良いですね。日本人は現金で支払う人が多いかと思いますので、「お釣りは取っておいてください。」といってお釣りなどの細かいお金をチップとして支払うのもいいかと思います。

またホテルでは1、2ドル程度で結構ですので、タクシーを呼んでもらったり、ベッドメイキングをしてもらったりした時に手渡しや枕の下に置いておくと良いかと思います。

でもこのチップってなにも問題はないの?

残念ながらこのチップ制度に関しては今、アメリカをはじめ各国で問題点が指摘されています。例えばレストランでもホールスタッフはもらえるけど、キッチンスタッフはもらえない。またチップありきで給与が設定されてしまっているため、サービス業全体の給与が他業種に比べて低すぎるなどです。

その為対策として店員への個別の手渡しは禁止して、レジの横にある箱にいれてもらう昔ながらのシステムにし全従業員へ配分が可能なようにしたり、会計時にチップ込みで支払いができるようにしたり、チップはもらわなくても済むよう給与をあげ店内でのチップをなくす代わりに金額を高く設定するなどの動きが見られるようです。その為個人的な見解では今後は緩やかにこの制度はなくなっていくのではないかなと思っています。

さて外国を旅行される際に一番困る「チップ制度」少しはお分かりいただけましたでしょうか?始まりは床屋なんてとっても意外でしたし、現在は様々な問題点から緩やかになくなっていく動きが見られるというのもご存知ではない方も多かったのではないでしょうか?徐々に減っていっているとは言っても、まだまだチップなしでは生活に困る職業も多くあります。
ですから「感謝の気持ちの現れ」で支払うチップですがどうか、働いている方々のためにもどうかケチらずチップを払っていただければと思います。またもし難しければ恥ずかしからず店員さんにアドバイスを求めても大丈夫ですよ。皆さん優しく教えてくれますからね!

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