日本には素晴らしい雰囲気をかもし出す高級住宅街がたくさんあります。このような場所では景観を重要視した街づくりがなされており、尚且つそこに住む住民もこの雰囲気を維持するために様々な努力を払っています。
では日本に存在する高級住宅街にはどのような歴史や決まりがあるのでしょうか?またそれらの高級住宅街の人気の理由とは何でしょうか?これらの質問の答えを知るために、いくつかの高級住宅街の様子を少し見てみることにしましょう。
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日本の高級住宅街
披露山庭園
都心から少し離れたところにある神奈川県逗子市の小高い丘の上にあるのが披露山庭園住宅地です。標高が100mほどあることから、ここから望む景色は最高です。海の向こうに見える富士山、外国のような景色を満喫できる逗子マリーナ、そして観光地としても有名な江ノ島を一望することができます。
また隣接している披露山公園は神奈川の景勝50選にも選ばれており、ここから七里ヶ浜や箱根、そして伊豆の連山や伊豆大島を見ることができます。またこの地域では建物の建ぺい率や高さ制限などが厳しく設けられていたり、電気や電話、そしてケーブルテレビなどの施設を地下に埋設して道路には電柱を設置しないなど、景観を守るための様々な努力が払われています。
美しい景色と自然に囲まれた地域であることから地価も高騰し、いつの間にか高級住宅街として知られるようになった披露山庭園ですが、当然のことながらここに住む人たちの多くもたくさんのお金を有している人たちです。そしてそれらの人たちが建てる住宅も非常におしゃれなもので、そのような物件がさらに街を美しくしています。また披露山庭園の道路は広く造られており、このようなことも影響して日本離れしたゆったりとした町並みが形成されているもの特徴の一つです。
山手町
披露山庭園がある逗子市の近く、横浜市の山手町も環境のよい高級住宅街です。
またこの地域には小高い丘の上にあるという披露山庭園との共通点があります。そのため横浜の港を見下ろすことができる最高の環境にあります。ここがなぜ高級住宅街となったのか、その理由には横浜に住んでいた外国人の強い影響があるからです。交易に訪れていた外国人たちは山手町一帯に住んでいました。
しかし山手町に住んでいた外国人はここを離れてもっと広い家に住みたいという要望を政府に提出します。そして政府はこの要望を受け入れませんでした。その代わりに山手町にある外国人向けの居留地を拡大したのです。その結果、山手町には外国のような美しい高級住宅街が出来上がったのです。
住宅の他にも理想的な環境を作るのに貢献している様々なものが山手町には存在します。まずは公園です。もともとはフランス軍、そしてイギリス軍の駐屯地であった港の見える丘公園、外国人テニスクラブとして設立された山手公園、そして夏場には有名人も訪れるというプールのある元町公園が山手地区にあり、この街を美しく飾っています。
またたくさんの教会、そしておしゃれな校舎の有名私立校が町並みを情緒あふれるものとしています。最寄り駅からそれほど近くなく、尚且つ丘の上にあることから車の所有は必須ですが、日本にいながら外国の雰囲気を味わえるのがこの地域の特徴です。
田園調布
高級住宅街と聞いて東京都大田区にある田園調布を思い浮かべる人は大勢います。しかし田園調布エリアは広く、昔と比べると若干様変わりしているところもあります。もともと地価が高く一軒の家に対する敷地面積が大きいことで有名だった田園調布ですが、最近では大きな土地よりもこじんまりとした土地を好む人が多くなり、以前は一軒の家しか建っていなかった土地を分割し、そこに数件の家を建てる動きが広まっています。そのため大きな高級住宅が立ち並んでいる地域もあれば、こじんまりとした家が建つような地域も存在します。
しかし田園調布2丁目の駅近辺、そして3丁目から4丁目地域はいまだに高級住宅街と呼べる雰囲気をかもし出す、素晴らしいエリアです。その理由の一つは田園調布憲章という決まりにあります。この地域に住む人たちは田園調布の雰囲気を守るために田園調布憲章を制定しました。その内容は一軒の家に対する敷地面積が50坪を下回らないようにすること、そして高い塀ではなくできる限り生け垣で敷地を囲むようにするといったものです。この取り決めがこの地域を高級住宅街と呼べるにふさわしい雰囲気を作り、尚且つ開放的な印象を与えているのです。
六麓荘町
関西地方の有名高級住宅街の一つ、兵庫県芦屋市にある六麓荘町は昭和時代に東洋一の住宅地を目指し、本格的に開発が進んだ地域です。最近では日本のビバリーヒルズなどといわれるほど高貴な印象を抱かせる町となっていますが、それにはいくつかの理由があります。まず田園調布同様に六麓荘町で定められている条例があり、その中には敷地面積が121坪以上、2階建以下の一戸建個人専用住宅のみの建設が可能であるという決まりがあります。そのためマンションや商業施設などはなく、景観を損ねる電柱や信号もないのです。また緑も多いことから非常に爽やかな街並みが形成されています。
また六麓荘町のコンセプトは山の斜面にたつ香港島の高級住宅地で、開発者は昭和初期に何度も香港を訪れてイギリス人が建設に関わったこの高級住宅街の研究に励んだのです。
このように高級住宅街と呼ばれる地域には様々な歴史があり、そこに住む住民がその地域独特の雰囲気を壊すことがないよう、長年努力してきました。こうしたことを考えると高級住宅街が非常に興味深いものに感じてくることでしょう。