noro

ノロウイルスの発生の特徴と予防対策

季節に関係なく、一年中注意が必要なノロウイルス。集団感染の事例もいくつか見られ、感染力が強く、ひとたび感染者がでると、瞬く間に感染が拡大する恐れのある恐ろしいウイルスです。

そんなノロウイルスの発生の原因と対策についてまとめていきます。2015年7月かなり暑くなってきましたが、ノロに限らずウイルス感染には気をつけたいですね。

スポンサーリンク

ノロウイルスとは

ノロウイルスとは非細菌性急性胃腸炎をまねくウイルスです。カキなどの貝類を食べたことによる食中毒の原因になり、感染したヒトの排泄物や吐瀉物、それらが乾燥し空気中にまったものから経口感染します。口から入ったウイルスは人の腸の中で増殖、細胞を破壊し、胃腸炎となります。

ノロウイルスの特徴

○抵抗性が強い
ノロウイルスには膜がないため、高温やアルコール、乾燥や酸にも強いです。また、水の中でも生存しますので、感染率が高く、複数の対策による予防が必要になります

○再感染する恐れがある
ノロウイルスは複数の型の遺伝子が存在するので、一度かかったことのある人でも、違う型のウイルスに感染する恐れがあります。

○感染しやすい
ノロウイルスは少量でも感染します。また、インフルエンザのウイルスは大きさが100㎚なのに対して、ノロウイルスは30㎚と、とても小さいということが、感染しやすい要因のひとつともいえます。

小さいっていう話はこのPDFがとても詳しそうです。一般人で読む人はいないと思いますが。
参考:福岡県の非細菌性急性胃腸炎患者から検出されたSmall Round Virus

○潜伏期間
潜伏期間は24~48時間です。症状は1日~3日続きます。
ただし、症状が治まった後も10日から1か月ウイルスの排出は続きます。症状が治まった後も周囲への感染を防ぐための注意が必要です。

○流行時期
ノロウイルスは年間通じて発生します。
特に流行するのは11月~3月。ノロウイルス感染の原因にもなるカキを食べる機会が増える時期に、ノロウイルスも流行すると考えられています。

○ノロウイルス感染症の症状
激しい吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、胃もたれ、発熱、悪寒。

ノロウイルスの感染経路

○食べ物による感染

  • 二枚貝などを生のまま、または加熱不十分で食べ、ウイルスに感染
  • ノロウイルスにかかっている、またはウイルスに触れた手によって調理された食べ物から感染

○人から感染

  • ノロウイルスにかかっている人の排泄物や嘔吐物を触れた手などから感染
  • ノロウイルスにかかっている人の排泄物や嘔吐物が乾いて、それらに含まれるウイルスが空気中に舞い、そのウイルスを吸い込むことによる感染

カキがノロウイルス感染の原因になる理由

そもそもなぜカキなどの二枚貝がノロウイルス感染の原因になるのか、カキ自体はウイルスをもっているわけではありません。

人の生活排水などが海に流れ着き、その排水にウイルスが混ざっていると、その環境のなかで育ったカキの中に、ウイルスが入りこむのです。ノロウイルスは、人の腸の中でしか、増殖しません。

診断方法・治療方法

※体調が悪い時は必ず病院へ行き専門家の元、治療にあたってください。

症状や流行状況、身の回りに感染者がいないかどうかなどから判断します。簡易検査方法もありますが、保険適用外となります。

また、残念ながら、ノロウイルス感染を防ぐワクチンや、抗ウイルス剤がないため、完全に治すことは不可能です。感染を広げる恐れもあるため、症状が治まるまで自宅で安静にしてください。その間、嘔吐や下痢によって脱水症状を引き起こすこともありますので、水分をしっかり取るよう心がけましょう。

下痢の症状がある場合、下痢止めを服用すると、ウイルスが体にたまって完治が遅れる場合がありますので、できるだけ下痢止めは服用しないよう心がけてください。

感染拡大を防ぐには

○嘔吐物、排泄物の処理方法
・ノロウイルス感染の疑いのある方の嘔吐物、排泄物を処理する場合、二次感染を防ぐため、素手で触らず、使い捨て手袋をし、マスクで口と鼻を覆い、ウイルスを吸い込まないように気を付けてください。また、指輪や腕時計等は外しましょう。

・新聞紙やペーパータオルなど、使い捨てできるものでふき取ります。
 ふき取る際は、外側から内側へ、汚物が広がらないよう、巻き込むようにふき取ります。
 ふき取ったものや手袋、マスクはビニール袋等に入れ、外に漏れないように捨ててください。

・処理終了後は、手を洗った後しっかり拭き、アルコールでしっかり消毒しましょう。手が濡れているとアルコールが薄まってしまうので、手をしっかり乾燥させてからアルコールをつけてください。

○汚物の洗濯
・汚れてしまった衣類やシーツなどは、薄めた塩素剤に30分ほどつけてから洗濯してください。ほかの方の洗濯ものと別に洗濯しましょう。
すぐに洗濯のできない布団やじゅうたんなどは、汚れをふき取った後、よく乾燥させ、アイロンなどでさらに高温消毒してください。

○周辺の消毒
・嘔吐物、排泄物の近くの壁やドアノブ、手すり、カーテンの消毒も行ってください。薄めた塩素系の漂白剤をペーパータオルに染み込ませ拭いた後、30分くらいおいたら水拭きでふき取ります。

○症状のある場合
・下痢のある場合、感染を防ぐため、入浴は控え、シャワーでおしりを洗いましょう。タオルはほかの方とは共用しないようにしてください。

感染予防対策

帰宅時、トイレの後、食事前、調理・配膳の際など、流水と石鹸で指のしっかり手を洗いましょう。時計やアクセサリーははずし、指の間や爪と指の間、手首まで丁寧に洗ってください。洗った後は清潔なタオルやペーパータオルで水分をふきとり、乾燥させることがポイントです。

食事に関しても予防策としては二枚貝などの貝類は85℃以上で1分以上、芯まで十分に加熱して食べるようにしましょう。。特に高齢者や幼児は抵抗力が弱く、感染しやすいので注意が必要です。
後片付けも注意が必要です。貝類の調理に使用したまな板などの調理器具は、熱湯消毒してください。塩素系漂白剤は金属を腐らせてしまう恐れがありますので、使用した際はよく洗い流すよう注意してください。

ノロウイルスの予防に一番重要なのは、やはり手洗いです。最初にも述べたように、ノロウイルスは一年中存在します。流行時期に限らず、日ごろから丁寧な手洗いを心がけ、ノロウイルスから身を守りましょう。

スポンサーリンク